資産計算で使う6つの係数のわかりやすい解き方ってないの?
FP3級の勉強でわかりにくいなと思ったところを説明します。
今回は6つの係数の解き方についてです。
🔷本記事の内容
・6つの係数とは
・6つの係数は2つのstepで考えれば超簡単
・6つの係数を例題で解説
🔷記事を書いた人
✅宅建・賃管を独学でダブル合格(2022年)
✅3児の育児と資格勉強を両立
✅FP独立開業を夢見るサラリーマン
🔷使用教材
有料教材
・LEC「FP3級 合格のトリセツ 速習テキスト」
・LEC「FP3級 合格のトリセツ 速習問題集」
6つの係数ってどんな時にどの係数を使えばいいのかわかりにくくて、なかなか覚えるのに苦労しますよね。私も覚えるのが面倒で、しっかり勉強せずに流し読み程度で次の分野に進みました。
でも、心残りだったので一度真剣に向き合ってみると、コツさえつかめばむしろ簡単だということに気づいてしまいました。
6つの係数を2段階の順序で問題を解くと、びっくりするくらい簡単に正解できるようになりますよ。
このやり方で6つの係数は確実に得点ゲットしよう
資産計算で使う6つの係数とは
資産計算で使う6つの係数とは、複利運用したときの金額を求めるために使う便利な係数のことです。
例えば「100万円を年利3%で複利運用した場合、10年後にいくらになる?」のような計算をするときに使うものですね。
まずは6つの係数の確認からです。
①終価係数
今ある金額を複利運用したときに、将来いくらになるのかを求める係数
②現価係数
毎年、複利運用して一定の金額を貯めるために、現在いくらあればいいのかを求める係数
③年金終価係数
毎年、複利運用しながら一定の金額を積み立てた場合、将来いくらになるのかを求める係数
④減債基金係数
毎年、複利運用して一定金額を貯めるために、毎年(現在から)、いくら積み立てればいいのかを求める係数
⑤資本回収係数
今ある金額を複利運用しながら一定の期間で取り崩す場合、毎年いくらずつ(将来に向けて)受け取れるのかを求める係数
⑥年金現価係数
毎年、複利運用しながら一定の金額を受け取るために、現在いくらあればいいのかを求める係数
ここで確認していてほしいのが、この6つの係数というのは「将来の金額」と「現在の金額」を求める場合で2つに分けれるということです。
6つの係数は2つのstepで考えれば超簡単
6つの係数の問題を解くことが超簡単になる、2つのstepでの解き方を説明していきます。
まず例題から。
元本100万円を、年利2%で10年間複利運用する場合の元利合計金額を求めるには、( )を使用するとよい。
1.年金終価係数
2.終価係数
3.減債資金係数
答えは2.終価係数です。
この問題を2つのstepで解く方法を解説していきますね。
2つのstepその前に
2つのstepの前に6つの係数の問題を解くのに超重要な表があるのでご覧ください。
将来の資産 | 終価係数 | 年金終価係数 | 資本回収係数 |
運用方法 | 一括 | 積み立て | 取り崩し |
現在の資産 | 現価係数 | 減債基金係数 | 年金現価係数 |
この表を覚えておけば、FP3級の問題は簡単に解くことができます。
まず表を横でみていき「将来の資産」は「終価係数」、「年金終価係数」、「資本回収係数」の3つであることを覚えます。覚え方は「しょうらい」の「し」がつく言葉で覚えれば大丈夫です。
「現在の資産」は、「現価係数」、「減債基金係数」、「年金現価係数」の3つですが同じように覚えることができます。「げんざい」の「げん」がつく言葉で覚えましょう。
しょうらいの資産 | しゅうか係数 | 年金しゅうか係数 | しほん回収係数 |
運用方法 | 一括 | 積み立て | 取り崩し |
げんざいの資産 | げんか係数 | げんさい基金係数 | 年金げんか係数 |
次に表の縦を覚えていきます。
運用方法が「一括」の場合は「終価係数」と「現価係数」の2つです。
で覚えれば大丈夫です。しゃべってみるとすぐに覚えると思いますよ。
運用方法の「積み立て」と「取り崩し」は一つだけ覚えましょう。
「積み立て」は「年金終価係数」と「減債基金係数」の2つです。覚えるのは「減債基金係数」の方だけで大丈夫です。
最後に「取り崩し」は「資本回収係数」と「年金現価係数」の2つです。覚えるのは「資本回収係数」だけで大丈夫です。
残りの「年金終価係数」と「年金現価係数」は、
積み立ての場合「げんさい基金係数」なので、「年金しゅうか係数」
取り崩しの場合「しほん回収係数」なので、「年金げんか係数」と覚えておけば大丈夫です。
2つのstepで解く
2つのstepでは、
を見ていくだけで解答できるようになっています。
もう一度例題を見てみましょう。
②元本100万円を、年利2%で①10年間複利運用する場合の元利合計金額を求めるには、( )を使用するとよい。
まずいつの資産を計算するのかに関しては、「10年間複利運用する場合の元利合計金額」となっているので将来の資産のことですね。将来の資産は「終価係数」、「年金終価係数」、「資本回収係数」の3つです。
次に運用方法は「元本100万円」となっているので「一括」ですね。一括は「終価係数」と「現価係数」となるので、将来の資産を求める問題だったので「終価係数」が答えになります。
将来の資産 | 終価係数 | ||
運用方法 | 一括 | 積み立て | 取り崩し |
現在の資産 |
はい、簡単に解くことができました。
6つの係数を例題で解説
これから例題を3つ出すので今までのやり方で解いてみて下さい。
最初は表を見ながらで大丈夫です。
将来の資産 | 終価係数 | 年金終価係数 | 資本回収係数 |
運用方法 | 一括 | 積み立て | 取り崩し |
現在の資産 | 現価係数 | 減債基金係数 | 年金現価係数 |
・例題1
元金を一定期間、一定の利率で複利運用して目標とする額を得るために、運用開始時点で必要な元金の額を試算する際、目標とする額に乗じる係数は、( )である。
1.現価係数
2.減債基金係数
3.資本回収係数
正解は1.現価係数 です。
・解説
②元金を一定期間、一定の利率で複利運用して目標とする額を得るために、①運用開始時点で必要な元金の額を試算する際、目標とする額に乗じる係数は、( )である。
まず「いつの資産を計算するのか」を確認します。「運用開始時点で必要な元金の額」となっているので現在の資産のことですね。
次に運用方法は元金なので「一括」のこととなり、「終価係数」か「現価係数」です。
現在の資産で「一括」なので、答えは「現価係数」となります。
将来の資産 | |||
運用方法 | 一括 | 積み立て | 取り崩し |
現在の資産 | 現価係数 |
・例題2
一定の利率で複利運用しながら、毎年一定金額を積み立てた場合の一定期間経過後の元利合計額を試算する際、毎年の積立額に乗じる係数は、( )である。
1.減債基金係数
2.年金現価係数
3.年金終価係数
正解は3.年金終価係数です。
・解説
一定の利率で複利運用しながら、毎年一定金額を②積み立てた場合の①一定期間経過後の元利合計額を試算する際、毎年の積立額に乗じる係数は、( )である。
いつの資産かは「一定期間経過後の元利合計額を試算する」となっているので、将来の資産のことです。
運用方法は「積み立てた」とあるので、答えは年金終価係数となります。
将来の資産 | 年金終価係数 | ||
運用方法 | 一括 | 積み立て | 取り崩し |
現在の資産 |
・例題3
現在保有している資金(元金)を一定の利率によって複利運用しながら毎年一定金額を一定の期間にわたり取り崩していくときの毎年の取崩し金額を計算する場合、資金(元金)に乗じる係数は、( )である。
1.資本回収係数
2.減債基金係数
3.年金終価係数
正解は、1.資本回収係数です。
・解説
現在保有している資金(元金)を一定の利率によって複利運用しながら毎年一定金額を①一定の期間にわたり取り崩していくときの②毎年の取崩し金額を計算する場合、資金(元金)に乗じる係数は、( )である。
いつの資産かは、「一定の期間にわたり取り崩していく」とあるので「将来の資産」になります。
運用方法は、「毎年の取崩し」となっているので、答えは資本回収係数となります。
将来の資産 | 資本回収係数 | ||
運用方法 | 一括 | 積み立て | 取り崩し |
現在の資産 |
まとめ
今回は6つの係数の解き方についてでした。
解き方がわかったら、そのやり方を定着するために問題を解くことをおすすめします。
問題を解いていくことで出題のパターンがわかってくるので、6つの係数に関しては間違うことなく解けるようになっていくでしょう。
表と2つのstepさえ覚えておけば6つの係数はもう怖くないですね。
将来の資産 | 終価係数 | 年金終価係数 | 資本回収係数 |
運用方法 | 一括 | 積み立て | 取り崩し |
現在の資産 | 現価係数 | 減債基金係数 | 年金現価係数 |
最後まで読んでいただきありがとうございました
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